がん”とのせめぎ合い
ひとは敵から身を守るため”免疫”という強力な武器を持っています。
最悪な敵”がん”はこの”免疫防御網”を破って発育・成長します。このために”がん”はいろいろな手を使います。
自分の周りに交感神経を引き込み、ここから出るアドレナリンを利用して”免疫”を抑え込んだり、転移したり、抗がん剤の効果を弱めたりします。”がん”組織に神経が多いほど悪性度が高いのはこのためです。
ペインクリニックでよく使う星状神経節ブロックは交感神経を一時的に休めるのが目的で、外来で簡単にできる治療法です。
今までは、”がん”の疼痛緩和、自律神経失調、乳がんでのホットフラッシュなどの治療に使われています。このブロックが”がん”の発育を抑えたり、抗がん剤の治療効果を高めるという研究報告は今の所ありません。
”がん”と”アドレナリン”の関係は最近とても注目されています。
”がん”で苦しまれる患者様、ペインクリニックにもぜひご相談ください。
(2025年5月8日)
”がん”と”神経”
”病は気から”と言う諺(ことわざ)が科学的に裏付けられる様になりました。
”やる気” ”喜び” ”快感” ”学習欲”などを引き起こす神経回路(報酬系回路と言います)を刺激して活性化すると”がん”が小さくなったと言う研究です。
このことに交感神経から分泌されるノルアドレナリンが関係していることもわかりました。
また、”がん”組織の中に入り込む神経が多いほど悪性度が高いことは以前から知られていますが、ここでも”がん”の進行を左右するのは交感神経から出てくるノルアドレナリンです。
ノルアドレナリンは、”がん”を育て大きくすると共に免疫細胞からの攻撃から”がん”細胞を護る様に働きます。
”がん”の苦痛を取り除くことはQOL(生活の質)を改善するだけでなく、治療の一つと思われます。
(2025年2月22日)
コロナ後遺症の話
- 頭痛
- 咳嗽
- 倦怠感
- 息苦しさ
- 歩行障害
- 腰下肢痛
の順で、飲み薬では効果の無かった方ばかりです。
治療
治療方法には星状神経節ブロックを行いました。
このブロックはペインクリニックで一番よく使われ、安全な方法です。
自律神経のひとつ交感神経の過緊張を一時的に休ませるのが目的です。
治癒期間
- 頭痛、咳嗽は数回の治療で全員の方の治癒となりました。
- 倦怠感は週1~2回/週治癒後1ヶ月で半分程度和らぎました。
- 息苦しさは2週間後、半分以上以下となりました。
歩行障害、腰下肢痛も同様です。
(2025年1月24日)